ぐぐぅ。
そこにいるだけで
何も言わなくてもどっしりした感じで
緊張感と安心感に包まれる。
そんな存在の人が、
現在抗がん剤治療をしながら
大切な打ち合わせの時に出てくる。
関わった時間は、ほとんどないのに
その人を思うと、胸が詰まる。
居なくなってしまうことを、感じずにはいられない。
青白い顔なのに
ビシッとスーツを決めて、大きな声で入ってくる。
仕事の話で怒鳴るし、誰よりも大きな声で発言してる。
私に、やさしい声で言葉をかけてくれる。
その声が、日に日に細くなってくるのを感じている。
それでも、みんなに心配させまいとふるまう姿が
ほんとうに、苦しい。
この人のために、どれだけ私はこの仕事をやれているのか。
この姿をみても、遅刻を気にもしない人間がいることに腹が立つ。
どうか、少しでも心安らかに過ごせますように。
心配事たくさんだろうけど
どうか・・・
時間は止められない。
通り過ぎた瞬間、もう手は届ない。
愛しい人に、大切な人に
大切な瞬間を逃さないように、
まっすぐでありたい。