かわいいひと。
今週もお見舞いにいってきた。
最近景気がいいのだろうか。
毎週毎週、渋滞がひどい。
それだけ人が動いているってことだよな。
土曜の夜、孫一同で集めた折り鶴で千羽鶴を作った。
今日持って行って見せたら喜んでくれたんだけど…
快方の見通しが立たない状態で、思い通りにいかないじいちゃんの焦り。
若い主治医が頼りないとこぼす。
本当はその不安を何も言わずに黙って全部聞いてあげたいんだけど
私の母も叔母も、娘としてじいちゃんを叱る。
その気持ちもわかる。
なんとか頑張ってほしいし帰ってきてもらいたい。
でも、頑張りようがない。
自分はこんなに頑張っているのに、苦しんでいるのに、それを訴えているのに自分の主治医は何もしてくれないとじいちゃんはこぼす。
こんなことなら、ばあちゃんと一緒に逝ってしまっていればよかったと。
過度な…
ってさ、それだけ心から思ってるってことなんだけど
元気になってほしいと思って励ます言葉がじいちゃんにはきっとツライ。
応えられない、答えようがない、どうにもできない。
それにさ…ただ病気して入院して経過がよくないだけならいいけど…
元気になって家に帰る目標、生き甲斐が、いないことが余計に不安だろうし
戻っても、戻れない…戻ることのない現実がそこにはあって。
ばあちゃんの死を受け入れているように見えているだけで、
長年連れ添った相手がいなくなったことを乗り越えるなんて簡単じゃないよね。
じいちゃんと、母と叔母のやり取りを聞きながら私はどうしたらいいのか考えていた。
どうしたら自棄になっているじいちゃんの考えを少しだけでも変えることができるのか。
今の症状に対して主治医が何もしないんじゃなくて、できないから現状維持になっていることや…ことや??じいちゃんの頭の中で固結びになってしまっているのはここだ。
医者が何もしないんじゃなくて、できない理由。
開腹手術ができない理由と、そのために今行っている対策と、じいちゃんが積極的に頑張らなきゃいけないことと。
ただの頑固者なわけじゃない。
納得すればちゃんと素直にやってくれるんだから。
そういうとこほんとにイケメンで優男なんだから。
でもつい、じいちゃんが愚痴をこぼすとそれを遮ってしまう。
ちゃんとそれを最後まで聞いてあげて、じいちゃんの不安と不満の結び目をほどいてあげることができたら…。
月曜に、また食事再開かどうかの判断がでるから…
もしそれで食事再開になったら、二日くらい休みとって一日中傍にいることができたらいいな…
食べてもどしてしまうのが怖い。
食べた後に気持ち悪くなったりおなかが痛くなってしまうのが怖い。
その怖さを、一緒にいてあげることができれば…
寝て目が覚めた時に、その視界にいることができれば。
たった一日でもいいから、不安を和らげてあげることができたら。
今日はあまりに弱気なじいちゃんを見ていられなかった。
別れ際にいつも握手をするんだけど、その手がまた薄くなっていた。
私はいつも母とセットでお見舞いに行くから、じいちゃんと二人きりになることがない。
帰り際、じいちゃんは母らと言い争うようになってしまって
もう来なくていいといって布団をかぶってしまった。
私は、母らを先に行かせてじいちゃんに何かを言ったんだけど
泣いちゃったからか思い出せない。
いっぱいいっぱいのじいちゃんに泣きついてしまって申し訳なかった…
余計な負担になってしまっただろうきっと。
でも伝えたかった。帰ってきてほしいってことを伝えたかった。
つらい思いを強いていると思うけど、
死んだほうがマシだなんて思ってほしくなかった。
それから、じいちゃんの胸に泣きつきながら手を頭にのせて撫でてもらった(笑)
次からは握手にナデナデも追加するか…。
なかなかツライ。
これがさよならの準備だと思ってしまうのもつらい。
元通りは無理。
わかってる。
でもこれ以上奪わないでほしい。
どうか。